事業報告書

平成26年度社会福祉法人 みすず福祉会事業報告書
平成26年4月1日から平成27年3月31日
平成26年度施設・事業所の事業内容について
(1)概況報告
平成26年4月より枚方市が中核市へと移行するのに伴い、指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)の指定、指導監督等の事務権限が大阪府から枚方市へ移譲されました。更新や変更等の手続き業務が市の所管となり当該施設では届け出等の変更業務に一部混乱がみられ、年度の前半はその対策に苦慮することとなりました。
年度の後半は平成27年4月より実施となる介護保険法改正に向けた庶務に関する情報の収集や調整作業等に手間取り、ご利用者への案内がぎりぎりとなる状況となってしまいました。
居宅サービスにおいては、地域包括ケア実践のためショートステイ、デイサービス、居宅事業所が連携を図りサービスの向上を目指しましたが医療面での連携や制度上の問題、他事業者との競合などにより何かと改善を求められる年度となりました。
特養においては、年度末にあたる3月からインフルエンザが拡大し入所者11名(内2名病院入院)職員8名の感染が確認され保健所に届け出を行いました。本年の教訓を活かし、次年度に向けて感染予防対策への取り組みを強化します。
施設全体としては開設11年目を迎え厨房機器の入れ替え、カーテンやベッドマットの交換、空調機器等の修繕などご利用者へのサービス向上を目的とする改修や工事を実施することができました。
(2)第一種社会福祉事業:特別養護老人ホームしらかばホール
(指定介護老人福祉施設)
Ⅰ重視した内容や取り組み
平成27年4月からの介護保険法改正に伴う介護報酬や加算等の単位数変更制度改正に伴うご利用者及びご家族への対応、特養への新規入所申込者に制約が設けられることへの事前の説明や問い合わせに関しての返答、施設見学希望者の増加に対する施設での対応を重視しました。
①ご入所者の体調の変化や急変時に適切な対応ができる体制と個別ケアの充実に向けた介護や看護等の連携が図りやすい環境を整えました。
②新規介護職員の人員確保、現職員向けの研修や勉強会を開催し、介護に対する意識の向上とスキルアップが可能となる環境作りに尽力しました。
③新システムの導入と定期的な入所選考委員会開催により、ルールに則った効率的な新規入所者の選出をおこない空床期間の短縮に努めました。
④地域住民との交流を図り、また多方面からのボランティアを受け入れることで「開かれた施設」を目指しました。
Ⅱ成果と課題
①医療体制を整えるため看護スタッフの増員を実施。手厚い看護・介護を実践することで昨年度より入院者を減少することと、適切な医療機関等の受診により入院期間の短縮を図ることができました。結果として居室稼動率の年間目標(94%)を達成することができました。
・施設介護支援専門員を中心に管理栄養士・機能訓練指導員ほか多職種協働で個別ケアの実践に取り組み介護度の進行抑制や食事形態の改善など一定の成果を残すことができました。
・施設入所者の高齢化や介護度の重度化に伴いご利用者の急変時の対応を看護職や介護職を中心に再検討し新たなシステム構築に向けて協議を重ねました。
②新たな介護職募集の取り組みとして、専門学校に赴き新卒の職員採用を実現することができました。現介護職員には(社福)大阪府社会福祉協議会等が開催する研修への参加、施設内での研修の開催を重ね、施設の介護指針である(きめ細かい介護・規律正しい介護・期待される介護)に対する意識づけを図りました。
③昨年度より導入した入所判定システムの運用により、ルールに則った選考がスムーズに行えるようになりましたが、入所については必要書類の準備に一定の期間を要することやご家族の都合等により予想以上の空床期間が発生するなどの課題が残ることとなりました。
④今年度は地域の自治会や老人会との交流を積極的に進め、地域の拠点となるべく「開かれた施設」への礎を築く一歩となりました。また、施設生活の質の向上を目指してボランティアの受け入れ回数も昨年度より増加となり、特養に入所中のご利用者に他者と触れ合う機会をより多く提供することができました。しかし、ボランティアの受け入れ体制や内容に関して課題も多く改善点も見受けられました。

【年間利用率】
別紙のとおり
(3)第二種社会福祉事業
しらかばホールショートステイ
指定短期入所生活介護・指定介護予防短期入所生活介護(指定障害福祉サービス短期入所)

Ⅰ重視した内容と取り組み
①ショートステイの受付けを原則FAXで受け付け、おおむね3ヶ月先の予約状況を把握することで、比較的正確に空き状況を他事業所へ案内することができるようになりました。
②キャンセル待ちの働きかけにより、キャンセル時の居室の確保がスムーズになりました。
③ご利用者、ご家族の事情を考慮して、入退所の時間(9時~16時)を可能な限りご家族の意向に沿えるよう工夫して、定時以外の時間での入退所の対応に努めました。
④支援が難しいご利用者(著しい認知症の周辺症状や帰宅願望など)への対応についても当事業が在宅サービスの一環であることを理解し、様々な工夫を行い、支援に努めました。

Ⅱ成果と課題
成果について

①FAXでの受付けや、キャンセル待ちの受付等により、6月以降、安定的な受け入れや、空床時の対応により年間の目標稼働率85%を超えることが出来ました。
②受け入れの工夫以外に稼働率確保の背景として、リピーターの利用により介護職員が状態を把握して支援できることで、ご利用者(ご家族)と職員との信頼関係の構築が図られたことなども稼働率の確保につながりました。

課題について
今年度の利用については、平均して予約の時点では稼働率は90%を超える予約を受け付けていましたが、リピーターの体調不良に伴う入院等で急なキャンセルが発生したことにより、(利用日前日や当日など)リカバリーが間に合わないことがありました。(10月、11月)対策として、時期的に体調不良を起こしやすい時期なので、急な体調不良も念頭に置きつつ、キャンセル待ち等でカバーできるように努めていきます。

Ⅲ年間稼働率
別紙のとおり
デイサービスセンターしらかば
指定通所介護・指定予防通所介護(基準該当障がい福祉サービス)

Ⅰ重視した内容や取り組み
①昨年度に引き続き家族介護者への支援(レスパイト)を推進するべく基本サービス提供時間を5時間以上7時間未満・7時間以上9時間未満などご家族の生活リズムや、ご本人のニーズに合わせ柔軟な対応に取り組みました。また、レクリエーションや制作活動およびボランティアによる余暇活動の充実に重きを置き充実した時間の提供を意識しました。
②ヘルパーさんやご家族の送迎時間に対応することにより、ご利用者やご家族に寄り添える取り組みをしました。
③安全・安心を基本に体調管理に気をつけ、サービス提供時間における確かな介助・介護を心がけ、ユニット内での連絡・報告によるご利用者の状態の把握、新人職員の教育・指導による職員のスキルアップを図ってきました。
④基準該当の障がい福祉サービスを提供するにあたり「障がい者福祉」への理解や、身体・知的・精神への支援方法など職員の理解を深めました。
Ⅱ成果と課題
基本サービス提供時間の幅を持たせることにより、お仕事をされているご家族・高齢者世帯・一人暮らしなど昨今、問題を抱える状況の中ヘルパーとの時間調整に対応することでより良いサービスが提供可能となりました。
また、季節ごとに合わせた行事やお買いもの・外食など、なかなか「行きたくても」という外出の機会をつくり楽しんでいただくことが出来ました。例年の課題になりますが、体調不良による欠席・入院、生活環境の変化による短期入所生活介護の利用や特養等への入所などにより、利用者数の変動による利用率の不安定を新規利用者様の獲得などにより軽減に向かえるように努めていきます。
職員の異動や退職に伴い新しい職員が増えたため、今後の指導・教育に力を入れていくことが、目標となる良いサービス提供に繋げられると考えています。

Ⅳ年間利用率
別紙のとおり
しらかばクループホーム
(指定認知症対応型共同生活介護・指定介護予防認知症型共同生活介護)
Ⅰ重視した内容や取り組み
施設理念…家庭的な雰囲気に脳活性化訓練を取り入れ、地域での共同生活を行い楽しく、明るいときめきを感じて心の若返りをめざします。
①介護職員に対する意識づけをし、高齢者の尊厳が保たれるようなサービスの質の向上を目指しました。
②ご利用者の「安心」「安全」で楽しい生活の場を提供できるように、介護技術向上のため、職員一丸となって取り組みました。
③地域包括支援センターや地域の方々との連携に努めました。
④内部・外部研修に積極的に参加するよう努めました。
Ⅱ成果と課題
①ホームの理念に即し、家庭的な雰囲気作りに取り組みました。
②家庭菜園を利用し、ご利用者への季節の移り変わりを提供した。
③行事や外出支援に家族様にもご参加頂き、共に喜んでいただけました。
④地域包括支援センターやボランティアを通し地域との連携に努めました。
⑤職員のスキル向上のための内部研修やご利用者様の認知症緩和ケアに関する外部研修を積極的に受講したことで、職員がそれを実践し、利用者様に喜んでいただけました。
課題として、重度化するご利用者に質の高いサービスを提供できるよう勉強会や、研修により多く参加できるように努めます。

デイサービス小鳥のさえずりしらかば苑(指定通所介護・指定予防通所介護)
Ⅰ重視した内容や取り組み
生活相談員・介護リーダー・介護職員同士の連携を大切にすることでご利用者お一人お一人のニーズを把握し、適正な支援・介護ができるように努めました。昨年度に引き続き、地域社会への貢献を目標に掲げ、近隣の自治会や社会福祉協議会が主催される行事などに積極的に参加することにより各関係機関との信頼関係に力を注ぎ、より良いサービス提供の充実・ご利用者の希望に寄り添った通所介護計画書及び介護予防通所介護計画の作成に取り組みました。
Ⅱ成果と課題
職員の配置換えや十分なスキルアップが出来なかった中、ご利用者に目を向け声掛け・傾聴を一番に笑顔や笑声の溢れるデイサービスを目指しました。新規ご利用者も増えていく中、地域包括支援センターや指定居宅介護支援事業所との関係を深めていけるよう取り組み、外出行事や地域の催しなどにも積極的に参加し、ボランティアも積極的に受入れつつ様々なレクリエーションにも力を入れ、楽しく明るい場所を提供できました。

Ⅲ年間利用率
別紙のとおり
グループホームすまいる(指定認知症対応型共同生活介護・指定介護予防認知症型共同生活介護)
Ⅰ重視した内容や取り組み
① 施設理念……家庭的な雰囲気での共同生活をおこない、楽しく明るく利用者様に寄り添うケアを提供し、季節の食材で手作り料理を継続し気持ち豊かに生活支援を提供。
② 事業方針……利用者様の残存機能を活かし、認知症の進行を防ぎ地域との交流を図り、ご家族様に安心して頂けるケアの支援
③ 支援方針……きめ細かい、規律正しい、期待される支援に力を注ぎ行き届いたケアを提供
④ 重点目標……認知症への理解を深めケアの向上に努め、職員間の連携強化
Ⅱ成果と課題
ご利用者に寄り添い家庭的な雰囲気の中、楽しく明るい日常生活を送っていただけることが出来ました。次年度に向けては、以下の点を課題として認識し、さらにご利用者に過ごしやすい環境を整えていきます。
① ご利用者に寄り添うケア(きめ細かい、規律正しい、期待される支援)
② 認知症の対応
③ 職員間の報告、連絡、相談等連携強化
④ 新人職員指導

居宅介護支援センターしらかば(居宅介護支援事業所)
Ⅰ重視した内容や取り組み
地域社会の社会的役割の一端を担う形として、高齢化、少子化、高々夫婦世帯など、さまざまな状況・ニーズに対してご利用者やご家族の声に耳を傾け寄り添い公平な立場のもと、適切なサービス提供に努めてきました。
また、保険・医療・福祉などの連携も大切な事柄とし各機関との連携を密に取ることにより自立支援に向けたアプローチ・計画を心がけました。
4月からの介護保険改正に向けて、今後ご利用者のご理解に向けて十分なな説明等をしていきたいと考えています。
Ⅱ成果と課題
職員の退職等により、担当の変更もあり満足いく内容とはなりませんでしたが、訪問や施設内でのコミュニケーションに重きを置き信頼関係の構築に力を入れました。新規ご利用者の獲得も徐々にではありますが増えてきている中で各関係機関との連絡・地域社会との交流も大切にし、新たな関係を構築していく途上です。
Ⅲ年間利用率
別紙のとおり
しらかば診療所
「しらかば診療所」では病院との機能や役割の違いから、診療所の利便性を活かした医療を一般の利用者及び併設の特別養護老人ホームや協力医療機関として提携しているグループホームに入所中の利用者を中心に医療を提供しています。また診察の上で専門的治療や入院等が必要となった場合には、適切な病院を紹介し情報提供をおこなっています。

Ⅰ重視した内容や取り組み
①入所者(利用者)の日常的な健康管理と健康の維持及び向上
②感染症への対策
③職員の健康管理
Ⅱ結果と課題
①定期的な血液検査、胸部Ⅹ―P撮影。日常的なバイタルサインのチェック処置等を実施することで健康状態の把握に努めました。診察の際、専門的な医療が必要との診断結果となった場合は医療機関との連携を図り適切な病院を紹介し情報提供を行いました。また希望者については肺炎球菌の予防接種を実施しました。
②感染症予防のための11月より入所者(利用者)や職員へのインフルエンザワクチン接種を開始。感染予防対策の一貫として職員への研修や勉強会を開催しマスクの着用や手洗い・うがいの奨励等の啓蒙活動を実施いたしましたが、3月下旬からインフルエンザ感染者が特養入所者(11名)職員(8名)計19名の感染者を出すこととなり保健所に届出を行いました。結果として次年度への大きな課題を残すこととなりました。
③特別養護老人ホームならびにデイサービスセンター、隣接するグループホーム等の事業所に勤務する職員に対する定期健康診断や新規採用職員への随時の健康診断を実施することにより健康管理や必要な場合には指導を行い健康維持に努めました。
生計困難者支援事業

Ⅰ重視した内容や取り組み
今年度より新たに第二種社会福祉事業として明確に位置づけ、コミュニティソーシャルワーカーを複数名配置し、様々な問題に対応できる体制を整備いたしました。
Ⅱ結果と課題
関係機関との連携を深めるとともに、よりコミュニティソーシャルワーカーのスキルアップを図り、援助を必要とする方々に対して必要な制度、サービスにつなぐことができるよう取り組んでいく必要性を感じています。
むすびにかえて
平成26年度を振り返り、依然として職員の不足は否めない状況であり求人に対して面接依頼の数が極端に少ない状況が続き、人材の確保が難しい状況でしたが、徐々に職員の入職も増え人員も確保しつつあります。
その結果、特養、グループホームのご利用者様については、看護師の安定により出来る限り当該事業所内での健康管理の充実を図ることができたため、昨年度に比べて入院者数、入院日数の減少が図れました。
ただ、短期においてはご利用者の体調不良によるキャンセルが最も多く、予測のつきにくい要因による利用率の伸び悩みがあり、引き続きそのような場合の対応策を検討することが急務となっています。
全体としては、日常的なサービスの一環として、積極的にボランティアの受け入れを今後も随時行っていくことで、地域のコミュニティの輪を広げることに力を注いでいきたいと考えています。
また、平成27年4月より介護報酬改定が実施されるにあたって介護報酬の引き下げが取りざたされる中、常勤配置医師の採用によるターミナルケアの実施やボランティアの積極的な受入れ等も含め、より地域参加に取り組んでいくことで職員の意識も高め、法人全体のサービスの維持、向上に向けての取り組みを実施しつつ地域に必要とされる施設を目指していきたいと考えております。